ピストンリングの組み付け

酒呑童子のエコラン講習

ピストンリングは、先ず、どれがどれかを確認します。もちろん裏表も。

裏表は、トップとセカンドリングにあります。Rとか、T、Nなどの刻印があるのが上面すなわちピストンの頭側です。

オイルリングのスペーサーまたはエキスパンダー(波型のもの)とサイドレール(薄いもの)には裏表はありません。

トップとセカンドリングの見分けは、トップは大体メッキされていて白っぽい、セカンドは黒っぽいというのが識別点ですが、図の断面形状も参考にしてください。

組みつけの手順は、先ずリングとピストンに十分オイルを塗ってから、オイルリングのサイドレールを1本、ピストンの頭のほうから滑らせてオイルリング溝(上から3番目のみぞ)の下まで通し、スペーサーをオイルリング溝に入れる。先に入れたサイドレールをスペーサーの下側に入れ、ピストンの上からもう一本のサイドレールを滑らせてエキスパンダーの上に入れる。

セカンドリングの上下を確認して、2番目の溝へ入れる。

トップリングの上下を確認して、一番上の溝へ入れる。

リングを入れるために拡げるときは、リングエキスパンダーという専用工具を使うのが良いのだけれど、まあはじめから用意するのは難しいかもしれないので、手で入れましょう。

両手の親指のつめをリングの合口に掛けて、人差し指をその反対側に当てて合口をそっと拡げてピストンにかぶせます。

下に降ろしていくときは、合口の角でピストンを傷つけないように。無理に拡げるとピストンリングが変形して役に立たなくなります。場合によっては折れます。

必要最小限に拡げて、でもピストンに傷をつけないように。

リングの合口は、図のようにそれぞれ120度ずつずらして組みます。トップリングの合口は、クランク軸に平行や直角の方向にならないように組むのが基本です。