減速比と走行モード
酒呑童子のエコラン講習
大きなセッティング要素の一つは減速比です。
減速比はいくつですかと聞くと、ギヤの減速比を教えてくれる人が多いのですが、最終的に必要なのはタイヤの外周長さも含めた総減速比です。聞かれてからスプロケットのT数を数えだすのは論外。
これを表現するのに適当な数値として私が使っているのは、エンジン1000RPM当たりの車速が何km/hになるかと言う数字です。
大体間違いない数字は8km/hから8.5km/h見当です。
その減速比で、走行モードは、最低速度が約25km/hになるように加速を開始して、35km/hないし40km/hでエンジンを切ります。これを繰り返してゴールします。
スロットル開度は、長さ約6mmのストッパをスロットルバルブの上に入れて開度を約半分に規制し、常にこのストッパに当たるように開けて加速します。これによって再現性のある加速のデータが得られます。
ストッパを入れないと、ドライバーは加速ができるような開度を選んで走るので、再現性のあるデータが得られず、セッティングがいつまで経っても決まりません。
開度を約半分に規制するのは、実はこの辺りに燃費の良いゾーンが存在するからです。
この走行モードを生かすためには、クラッチミート回転数をスタンダードよりも下げた方が良いです。
クラッチのオモリ(図の14)を標準の4枚4箇所から7枚4箇所に増やすと、大体ころあいになります。
オモリを増やすには、それが取り付けてある部品(図の10)の溝をグラインダーで削って広げることで可能です。またはC70のパーツと交換します。
クラッチミート回転数が高すぎればクラッチを滑らせながら加速を始めることになり、損失が大きくなります。ミート回転数が低すぎればトルクの無い回転数でミートし、加速できなくなります。
それぞれの詳細は順を追ってお話しましょう。