省エネカー競技会決勝

酒呑童子のエコラン講習

昨日色々お話したチーム(武蔵工業大学付属中・高自動車部)と、前からおなじみで声など掛けていた名城大学チームに挟まれた、東京農工大チームエネラボは、その昔、彼らの先輩がチームエネラボを始めた頃にお手伝いをさせていただきました。

ちょっと覗いた感じでは、結構ちゃんとやっているし、見知った顔もいないので、まあ、放っていたのですが、この朝、いきなり「両側のチームにお話しているのだから、うちにもお話していただけますか」と迫られました。そう言われれば、別に断ることも無いので、皆さんの話の中に加わって見ましょう。

減速比について聞くと、まあ、適当な範囲に入っているようです。スロットル開度は野放しと言うことなので、開度半分ぐらいに規制することを提案しました。

今のチームは昔のチームとは人的には全くつながりは無いとのことですが、大学のサーバを発掘して、私が昔提案したメール内容などは把握しているし、T−ARKさんのサイトも読んでいるようです。

燃費向上の決め手は何かとのご質問ですが、そんなものは無いですね。あえて言えば、キャブセッティングと走行モードの選択。スロットル開度を規制して、再現性のあるデータを取ることはその第一歩。

エンジンの圧縮比を14まで上げているそうですが、それの効果は疑問。このチームもミッションを外して吸気バルブ休止を入れているが、その効果も疑問。どういう原理、法則で燃費が変わるのかを考えて欲しい。

ところで、強制潤滑を廃止して滴下潤滑を採用しているチームは多いが、カムチェンテンショナにはちゃんと配慮をしているのだろうか。今のカブエンジンはテンショナが油圧式になっているので、ちゃんとオイルが供給されないとテンションが出ないはずです。

以前の京葉工業高校はそれを知っていて、ロッドに置き換えてテンション調整が出来るようにしていたが、今の皆さんは知っているのかな。

ロックボルトのように見えるのは、ただのオイル抜き穴のめくらボルトですよ。

フレーム構成についてもお尋ねですが、後輪荷重を受けるところが、不等辺角パイプの中間で、しかも断面係数の小さい方に曲げ荷重が掛かる構成なのは間違いですと指摘しました。そうしない訳には行かない理由が有ったと思っているでしょうが、間違いは間違いです。

省エネカー研究会の講習会が無くなって、今そういう話が聞けるのは電気自動車の講習会ぐらいになってしまいました。では、その講習会でフレーム構造の話をいつもしているI上さんをご紹介しましょう。

「これでも良いとおもうけれど、いつもお話しているのは、割り箸は曲げると簡単に折れるけれど、引っ張ったり圧縮したりしても折れはしないと言うことです」

納得していただけましたか。

金曜までの天気予報とは大違いで、今日は雨が降り続きます。その中で決勝開始。

フルカバー組には、スクリーンが曇って走行困難なチームもありますが、昨日から応援の2チームはいずれもオープンなので問題なし。走るのを見ているとやっぱり下のコーナが早すぎ。走行タイムから見ると、加速をかなりの回数減らしても問題なさそうな。それは今後の課題。

2チームとも完走して、この条件としては先ず先ずの記録でしょう。

チームエネラボは、表彰で特別賞を受けました。奨励賞の意味がありますので、もうひと頑張りを期待します。