駆動チェンは何故外れるか

酒呑童子のエコラン講習

以前は、駆動チェンの外れによるリタイヤは、大きな課題であった。でも、最近は、少なくとも日本省エネカー研究会のイベントでは余り聞かなくなった。ひょっとして産業用の25サイズのチェンが多くなったのがその理由だろうか。

25サイズのチェンの強度と伝達効率には本当に正しい選択なのかと疑問を感じているが、外れにくいことは確かであろう。

以前のマイレッジマラソンのチーム紹介に、[チェンが外れやすいので、外れても直ぐに掛けなおせるような機構を工夫しました」と在ったのには笑ってしまった。それは努力の方向が違うだろう。

チェン駆動は、ドライブスプロケットとドリブンスプロケットが同一平面状にあり、駆動力が掛かったときでもその原則が崩れず、たるみが適切であれば外れることはありません。断言できる。

でもこの原則を外して使っているチェン伝導機構がある。もちろん、自転車の多段フリー変速機構です。変速するためには、チェンは外れ易くなければいけない。ディレーラは、変速のためにチェンを外す機能と共に、選択した減速比を維持するためのチェンガイドでもある。チェンもスプロケットも外れやすいように作ってある。

外れやすいチェンと、外れやすいスプロケットを使って、チェンガイド無しで使えば、当然チェンは外れやすい。

お知り合いの某チーム。昨年のエコパでお会いして様子を聞いてみると、どうも近頃チェン外れが多いと。見せていただくと、外れるチェンとスプロケットの組合せです。お話を聞いてみると、以前は競技用自転車にも詳しいショップのお世話になっていたが、ちょっと遠いので足が遠のき、最近は近くの自転車屋で部品を調達しているとのこと。

それが原因ですね。以前のショップは経験豊富で外れにくい組合せを提案してくれていたのでしょうが、いささかお高い。近所のショップはその点お安くて便利でもありますが、いささか経験不足。チームの方もそれを見抜く目がない。

チェンが外れるなら、部品の選択と機構設計が間違っています。もう一度確認してください。