網野善彦

KUSHIBIKI2005-09-14

網野善彦という中世日本史家がいて、2004年2月に亡くなっています。

この人が実は私の高校時代の日本史の先生なんですね。余り具体的な記憶は無いのですが、結構楽しめた授業で、その影響か、大学入試で日本史を選択して点を稼いだような気もします。

卒業後は特に気には留めていなかったのですが、時々新聞記事などでその名前を見て、あれ、あのアミノはこんなことをしているのか、などと思っていました。

訃報を読んで、アミノも死んだかと思っていたのですが、業績などを紹介する記事を見ると、かなりの大物だったらしい。

最近改めて地元の図書館で見ると、アミノの名を冠した本がいくつかある。

写真の左はまだ生前の2003年に発行されている。まだ生きているうちにその思想をどうやって越えて行くか、とはすごい。右の本は、亡くなった直ぐの6月に発行された対談。どうやって継いで行くか、というのもすごい。

それぞれの内容を読んでみると、アミノというのはそれまでの中世日本史の常識に、「こんな記録がある、こんな例がある、だからそうとばかりは言っていられないんじゃないかな」と、大きな石を放り込んで波紋を広げたらしい。当然大きな反発を受けたが、黙殺もされなかった。ただし、新しい統一歴史観を建てるまでは行かなかったらしい。

それがここに紹介した2書の題名に現れているらしい。

ここにこんな「らしい、らしい」ばかりのことを紹介したのは、改めて思ってみるとわが母校にはアミノに限らずかなりすごい先生がそろっていたなあということと、きっちりした調査を元に定説に果敢に挑むというのは私好みでもあるなあ、といった意味です。

まとまらない。